概要
リハビリテーション科では、脊髄の疾患、関節の疾患、関節リウマチ、筋ジストロフィー、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、脳性まひ、重症心身障害など様々なリハビリテーションを行っています。日本リハビリテーション医学会専門医師をはじめ、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、医療相談員などのスタッフがチームを組んで急性期から回復期のリハビリテーションを中心に行っています。また、患者さん一人ひとりの意思を尊重し、ご要望を伺いながら目標を立て、一日でも早く日常生活へ復帰できるよう取り組んでいます。
365日リハビリを実施しています
平成28年11月より土・日・祝日・年末年始のリハビリを開始しました。より早期の回復、日常生活への復帰を目標に、緊急性・必要性の高い患者様を中心に実施しています。
HAL®(医療用下肢タイプロボットスーツ)を導入
HAL®(医療用下肢タイプロボットスーツ)
歩行訓練の様子
当院では、平成28年12月より医療用下肢タイプロボットスーツ「HAL®」を導入し、 神経難病等患者の歩行障害を改善する治療を実施しております。 SMLの3サイズを用意して、より多くの患者様に対応できます。
■HAL®による治療
この治療は、腰から両下腿部にかけて装着した医療用ロボット「HAL®」によって、皮膚の表面を流れる電気信号を感知、歩行補助を行うことにより歩行障害を改善(歩行距離の延長等)していくもので、以下の対象疾患に保険診療(診療報酬)が認められています。
■対象疾患(保険診療適用)※令和5年11月時点
(1) 脊髄性筋萎縮性(SMA)
(2) 球脊髄性筋萎縮症(SBMA)
(3) 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
(4) シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)
(5) 遠位型ミオパチー
(6) 封入体筋炎(IBM)
(7) 先天性ミオパチー
(8) 筋ジストロフィー
(9) HTLV-1関連脊髄症(HAM)
(10) 遺伝性痙性対麻痺
■治療にあたって
当院にて「HAL®」による治療を希望する方は、現在治療中の主治医からの紹介状をご用意のうえ、当院脳神経内科外来を受診してください(予約制となります)。
また、治療中は4~5週間程度入院をしていただくこととなりますので、医師とご相談ください。
■HAL®治療に関してのお問い合わせ先
独立行政法人国立病院機構
仙台西多賀病院 地域医療連携室
TEL:022-245-1810
パーキンソン病の入院による短期集中リハビリテーション
【パーキンソン病とは】
パーキンソン病とは手足が震えたり、体を動かすことが困難で動作が緩慢になってしまうなどの症状を引き起こす脳神経疾患です。これらの症状によって日常生活が送りにくくなる患者様が多数いらっしゃいます。近年では入院による短期集中的なリハビリテーションが運動・生活機能の維持に有効であると報告されています。
【リハビリ入院について】
当院ではパーキンソン病患者様のリハビリ目的での入院を受け入れております。
薬剤調整と短期集中的なリハビリテーションを行うことで将来的に身体機能を良い状態で維持し、日常生活を円滑に送ることができるよう、医師・看護師・リハビリ・栄養士・薬剤師・MSW(医療ソーシャルワーカー)の各専門職種で統一した目標をもって支援させていただきます。
頻度:5~6回/週 、時間:1~2時間/日程度 *体調に合わせて実施
【リハビリ内容】
ストレッチ / 筋力増強訓練 / バランス訓練 / 姿勢調整 / 歩行訓練 など
日常生活動作訓練 / 介助方法の工夫 / 認知・心理面の支援 など
発声・発語訓練 / 摂食嚥下訓練 など
【相談業務】
リハビリを行うだけでなく、退院後の生活に関わる内容を各専門家に相談することができます。
・MSW(医療ソーシャルワーカー)
医療福祉制度の説明、退院に際しての各事業所への連絡、カンファレンスの調整・実施
・薬剤師
内服薬の説明、内服に関してのアドバイス
・栄養士
栄養指導、自宅での調理に関するアドバイス
・理学療法士・作業療法士
歩行補助具などの福祉用具、自助具、コミュニケーション機器、住宅改修に関するアドバイス
*今後は運動療法のみならず、高次脳機能障害などに対する支援の充実を図るため、認定療法士などの専門的スタッフの育成に努めて参ります。
スタッフ紹介
リハビリテーション科医長
須田 英明
■専門分野
脊椎外科
外傷
整形外科一般
■認定医・専門医等
日本整形外科学会整形外科専門医
日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医